家造りの建築工法
伝統工法
伝統工法
伝統工法の原形は、竪穴式住居に見られる。
すなわち、柱を立てて桁を支え、その桁に梁を架けて主要な構造としている。
継手・仕口などほぞ・ほぞ穴を利用したより合理的な接合方法を用い、粘りで揺れを吸収する柔構造である。
伝統構法は、「貫」と「土壁」の組み合わせで外力を分散・吸収させ、外力に抵抗する建築方法といえる。


木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう:在来工法)
木造軸組構法とは
伝統工法を簡略化・発展させた構法で、在来工法(ざいらいこうほう)と呼ばれている。
伝統工法との違いは、基礎の構築、土台の設置、基礎と土台の緊結、筋交いの多用や各種ボルトやプレートといった補強金物の使用などである。

特徴
日本においては、木造住宅の工法としては、主流の工法である。
「在来」の呼称などから伝統的な工法と思われがちだが、技術的には伝統工法との共通性は少なく、多くは1960年代頃から発達したものである。

施工順序としては、基本的に基礎→土台→主要部分→小屋組み→屋根→床→壁 となる。
屋根が比較的早期の段階で取り付くのは雨の多い日本において適しているとされる。

木造軸組構法では、各部材に、継手・仕口などの複雑な加工を施すため、手作業による加工には高度な技術が必要とされる。
そのため、近年は人件費および工期を減らすためプレカット工場での機械による継手・仕口の加工が主流となっている。

耐力壁ではない壁は構造上建物の剛性に殆ど寄与しないため、窓や扉等の開口部を拡大したり増設したりするような大規模なリフォームが容易なメリットもある。

柱や梁などの線材が基本構造であることから、気密性・断熱性・防音性の向上には工夫が必要であり、近年は構造用合板などのボード類に気密パッキンを貼り付けて軸組みに打ちつけるボード気密工法などが開発されている。
これに断熱材を組み合わせることによって、次世代省エネルギー基準に適合した建築物を作ることができる。


木造枠組壁構法(もくぞうわくぐみかべこうほう:2×4工法:ツーバイフォーこうほう)
木造枠組壁構法とは
耐力壁と剛床を強固に一体化した箱型構造である。木造軸組構法が、柱や梁といった軸組(線材)で支えるのに対し、木造枠組壁構法では、フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支える。
それゆえ、高い耐震性・耐火性・断熱性・気密性・防音性をもつ。
欧米では標準的な木造住宅の構法であるが、日本でも1974年頃から建築されるようになった。

特徴−長所
継手・仕口などの複雑な加工が不要であり、ほとんどが直線カットのみで済むため、高度な技術を必要とせず、人件費および工期を抑えることができる。

構造用合板を直接打ち付けた耐力壁および剛床で建物を強固に一体化しているため、耐震性・耐風圧性に優れている。

壁や床といった面要素を基本としていることから、隙間が大変少なく、断熱性・気密性・防音性に優れている。

各部屋は、内壁および天井に石膏ボードを打ち付けてあるため、火災に強く、隣室や上階への延焼を遅くする効果がある。
また、石膏ボードを厚くしたり重ね貼りしたりすることにより、比較的容易に準耐火構造の建築物を作れるばかりでなく、耐火構造の建築物さえも作ることができる。

特徴−短所
耐力壁線と呼ばれる耐力壁で囲まれた空間を構成していかなければならないため、間取り、部屋の大きさ、窓の位置、大きさ等、ある程度の制限を受ける。

耐力壁が構造上重要な位置を占めるため、窓や扉等の開口部を拡大したり増設したりするような大規模なリフォームはできないデメリットもある。

施工順序としては、2階建ての場合、1階床→1階壁→2階床→2階壁→屋根となる。
屋根が最後となるのは、木造軸組構法と対照的である。
雨の多い日本においては、施工中に床に水が溜まったりしないように、養生を重視する必要がある。


鉄筋コンクリート構造(RC構造)
鉄筋コンクリート構造(RC構造)
鉄筋コンクリートを用いた建築の構造もしくは工法。
英語のReinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の頭文字からRC構造またはRC造と略される。
金属の鉄がもつ性質の容易に破断しない粘り強さと引張強度の強靭さ、セメントと骨材(こつざい)である砂及び砂利を水と混ぜたコンクリートがもつ圧縮強度の強さを併用した構造の一つ。
ヨーロッパの植木職人がセメントで植木鉢を作る際、針金で補強したのが鉄筋コンクリートの最初と言われる。

特徴
かなり大きな耐久性を有する
経済的には高くなる。


鉄骨構造(S構造)
鉄骨構造とは
建築物の躯体に鉄製や鋼製の部材を用いる建築の構造のこと。
鉄骨構造は大きく三種類に分けられる。
  木造軸組工法と同様に柱、梁、筋交いを利用したブレース構造
  柱と梁を完全に固定(剛接合)して筋交いを不要としたラーメン構造
  小さな三角形を多数組み合わせたトラス構造

厚さによる分類
 重量鉄骨
   厚さが6mm以上の鋼材
   製鋼所で熱間圧延加工により製造される。
   主としてラーメン構造、トラス構造に用いられる。 
 軽量鉄骨
   厚さが6mm未満の鋼材
   主としてブレース構造に利用される。

特徴−長所
木材に比べ強度が高く、鉄筋コンクリートに比べ単位重量が軽いことから長い梁に利用でき、柱のスパンが広く、柱の本数も少なくてすむ。

ラーメン構造の場合は耐力壁が不要なので間取りの自由度が高く、リフォームも容易である。
ただし、H形鋼の柱は弱軸方向に筋違いを配置する必要がある。

ラーメン構造では鉄骨は工場生産され、現地では組立作業のみとなるので、現場接合部の管理をするだけで建物の構造的品質を一定に保ちやすい。

トラス構造の場合、構造的な安定度が極めて高いので、体育館の屋根や鉄橋など、他の構造では不可能な長大スパンを実現できる。

材質が均一である。

工期が短い。

変形能力が大きいため、大地震時における骨組みのエネルギー吸収能力が大きい。

建物を解体する場合、鉄が有価物であるため、解体コスト削減を期待できる。

特徴−短所
構造材が不燃物なので火事に強いと誤解されるが、鉄骨は摂氏550℃程度で急激に強度が失われるので、消火に手間取ると一気に建物が倒壊する危険性を持っている。

木造は火事に弱いと考えられているが、火で焼かれても柱の表面が炭化するのみで内部まで完全に燃えるには長時間かかるので、短時間に建物全体が崩壊するというケースは少ない。
このため鋼材には耐火被覆を施すのが一般的である。

材料強度は高いため、コンクリートや木質材料と比較すると断面を小さくすることが出来るが、座屈という現象が無視できなくなる。

水分に触れると錆びやすいため、外部や水周りに用いる場合は、防錆処理を施すのが一般的である。


複合構造(hybrid structure)
複合構造とは
複数の材料を組み合わせて一つの構造部材とした合成構造と、異種部材を連結して一つの構造体とした混合構造の総称である。


参考資料
(有)アダック:社内資料  ウキペディア:「在来工法」、「木造枠組壁構法」、「RC構法」
             (有)アダック建築設計事務所  
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家造りの豆知識−1 (各種建築工法について)