子供には突発的な怪我や事故がつき物です。
 これらを100%回避することは不可能でしょうが、もしそれらに遭遇した場合には早急な対応をする事で、大事に至ることを防ぐことが出来ます。
 日頃から、少しでも救急処置を知っておくことが重要です。

 子供の病気2(事故、外傷など)

1:事故・外傷など

(1)頭を打った(頭部外傷)
子供は頭が大きく、体の重心が高い所にあるのでよく転び、頭を打ちます。
高いところから落ちたり、上の子に登られたりして頭に外傷が加わった結果、重症では頭蓋骨骨折の心配があります。
そのほか、頭蓋内に出血がおこり、そのために脳が圧迫されるという状態が急性硬膜外血腫、急性・慢性硬膜下血腫です。
@緊急を要する場合
 次の症状がある場合には救急車を呼ぶか、緊急に受診する必要が有ります。
 1)意識がない
 2)耳、鼻から出血している
 3)嘔吐する
 4)激しく頭を痛がる
 5)頭がへこんでいる
A頭を打ったあと、すぐに泣き意識もしっかりしているとき 
 このような場合には、ひとまず安心です。
 しかし、その後、次のような点に気をつけて様子を見て下さい。
 1)意識は本当にしっかりしているか。
   意識のチェックはとても大切です。次の場合は要注意です。
      泣いたり・動いたりしないとき
      名前を呼んでもぼーっとして反応しないとき
      刺激をすると目を開けるがすぐまたうとうとするとき
      焦点がさだまらずうつろな目をしているときなど
   いそいで医療機関(CTのとれる病院・脳外科のある病院)を受診してください。
 2)左右の瞳孔(ひとみ)の大きさに差がないか。目の動きは正常か
   瞳の大きさが左右で違う場合は、すでに上記の異常のいずれかを伴っていることが普通で、一刻をあらそう状態です。
   脳幹部という呼吸や循環に関係する大切な部分が圧迫されていることが予想されます。
   何をさしおいても、大至急救急指定病院を受診して下さい。
 3)吐いていないか。
   激しく泣いた為に吐いた様な場合は別として、顔色が悪く繰り返し吐くような場合は、危険なサインです。
 4)手足の動きにおかしいところはないか。
   手足のどこかが動かないとき、ピクピクとけいれんするとき、動かすと痛がる時にはすぐ病院を受診してください。
 5)打った場所の骨に異常がないか。
   骨がぺこぺこしているようなときは、骨折している疑いがあります。
 頭を打ったあとは、上記ような点に注意をして、48時間は慎重な観察を怠らない事が大切です。
 さらに、静脈性の出血(慢性硬膜下血腫)の場合は、だいぶ時間が経ってから症状が現れることがあります。
 1週間から1カ月くらいは様子見が必要です。
 普段様子をみてくれている人みんなに事情を説明して注意してもらって下さい。

(2)おなかを打った(腹部外傷)
胸やおなかを強打した。一時的に意識が薄れ、呼吸も苦しそうになります。
衣類をゆるめて、楽に呼吸ができるようにしてください。
静かに寝かせて、様子を見てください。