(1)家庭の平均貯蓄残高
 平成16年の平均貯蓄高は1692万円だそうです。
 銀行や郵便局に預けているお金の平均は300〜500万円などと言われています。
 年間平均収入は650万円なので、貯蓄年収比は260.3%(各世帯が年間収入の2.6倍の貯蓄を持っている)になります。

@貯蓄現在高の分布
 全世帯の平均貯蓄高は1692万円となっていますが、この平均値を下回っている世帯は67.6%。
 著しく貯蓄高の多い世帯(1億円とか、100億円とか)が平均値を引き上げたために、3分の2の世帯は平均値を下回る結果となっています。 そこで、貯蓄の少ない順から多い順に並べてちょうど真ん中に位置する世帯の貯蓄額(中央値)を見てみると、全世帯の中央値は約400万円ということです。
 また、ちょうど50%の地点での貯蓄額は1024万円です。
        200万円未満 16.2%
        400万円未満 13.4%
        600万円未満 11.1%
        800万円未満 10.4%
       1000万円未満 7.4%
       1200万円未満 7.6%
       1400万円未満 4.9%
       1600万円未満 4.1%
       1800万円未満 3.1%
       2000万円未満 3.3%
       2500万円未満 5.2%
       3000万円未満 3.6%
       4000万円未満 4.2%
       4000万円以上 5.5%

A平均値の弱点
 平均値は、かけ離れた数値に大きな影響を受けますので、貯蓄額であれば「平均貯蓄額=世の中の大半の人の貯蓄金額」となるかどうかは分かりません。
 人並み(平均)であれば安心という人が多いのですが、その根拠となる数値は、実際にはあまり当てにならないものかもしれません。
 また、一人ひとりのお金に対する価値観も異なりますので、マネープランに関する金額を考える時には、平均値は参考程度にして、自分の価値観に基づいて考えることが大切です。

(2)貯蓄の基礎
 平均値は不確かなものとはいっても、やはり貯蓄は必要なものです。
 そこで、正しい知識を身につけて、大切な資産を安全・確実・有利に運用すべきではないでしょうか。

@金融商品選択のポイント
 金融商品を選ぶ際には、三つのポイントがあります。
 まずは、「安全性」で、元本の保証の有無、破綻した場合の保護体制の有無などが、安全性の判断材料となります。
 次は、「流動性」で、換金しやすいか・しにくいかということです。
 急な出費に備えるお金ならば、金利は低くても流動性の高い金融商品を、それ以外は利用目的や期間に合わせて、流動性は低くてもより有利なものを選ぶとよいでしょう。
 最後は、「収益性」です。流動性との関係では、一般的に換金しやすければ収益性は低く、しにくければ収益性は高いという傾向があります。
 さらに、安全性との関係では、安全性が高ければ収益性は低く、逆に低ければ高い収益性を見込めます。
 安全・確実で、流動性が高く、しかも収益性も高いという金融商品はありません。
 ですから、これら三つの要素を考えて、目的に合った金融商品を選ぶ必要があります。
A各種の金融機関
 色々な金融商品が有るのと同時に、それを売っている機関も様々です。
 まづは、金融機関の種類を把握しましょう。
   銀行
     普通銀行:都銀、地銀、第二地銀、外銀
     信託銀行
     協同組織金融機関:信金、信組、労金、農協、漁協
   証券会社
     既存型証券会社、ネット証券会社
   投信会社
     投資信託会社:国内投信会社、外資系投信会社
   保険会社
     生命保険会社:国内生保、外資系生保
     損害保険会社:国内損保、外資系損保
     共済
   その他会社
     郵便局、クレジットカード会社 、カードローン会社、消費者金融会社、外国為替取引会社、商品先物取引会社
B各種の金融商品
 金融商品には「貯蓄商品」、「投資商品」、「保険商品」、「ローン商品」などが有ります。
 これらの中から、自分の現在の状況や将来の目標に合致した商品を選ぶ事が重要です。

(3)貯蓄の実際
@貯蓄商品
 貯蓄の運用商品には様々なものがあります。
 以下はその具体例です。 
     日常生活費の出し入れ・・・普通預金、通常貯金、貯蓄預金、MRFなど 
     中長期的な安全運用・・・・定期預金、定額貯金、金銭信託、公社債投信など 
     将来のための積み立て・・・教育積立貯金、積立定期、財形、つみたてくんなど 
 
 預金と貯金の違いは?
    貯蓄の日常的な手段として預金と貯金の2つがあります。
    その違いは呼び名と保護制度ぐらいで、商品上の大きな違いはほとんどありません。
        預金は ・・・都銀、地銀、信託、信用金庫、信用組合で取り扱い 
                (預金は預金保険制度で保護)
        貯金は -郵便局、農協、漁協等で取り扱い 
                (農協・漁協貯金は農水産業協同組合貯金保険制度で保護) 
                (郵便貯金は郵便貯金法第3条で国が保護)
2貯蓄商品の選択ポイント

 貯蓄型商品を効果的に活用するには、各商品の特色をしっかりと理解することが大切です。
 もし十分に理解しないなら、思わぬところで無駄な預け方になってしまいます。
 効果的な貯蓄をするためにも、しっかりと商品の特色を理解し、適切な商品を選択することが大切です。
 1)最低預入金額と預入単位は?
      預け入れの最低金額はいくらか
      預け入れの単位金額はいくらか
 2)満期(期間)は?
      預け入れの期間はどれくらいか
 3)換金性は?
      いつでもペナルティなしで換金できるか
      いつでも換金できるがペナルティありか
      一定期間据置後、ペナルティなしで換金できるか
      一定期間換金できず、かつペナルティありか
      全期間原則、換金できないか
 4)金利の種類は?
      固定金利か、変動金利か
 5)利息の付き方は?
      単利か、複利か
      利払いがあるか、それとも満期時一括受取か
 6)税金の取り扱いは?
      源泉課税はいつ徴収されるのか
      マル優は適格か












「貯蓄」とは、銀行や郵便局に預けているお金のことだけではなく、生命保険や火災保険、株式、公社債や投資信託なども含めた総額を意味してます。
 では、貯蓄の目的とは何でしょう。
 貯蓄自体は目的ではなく、何かの手段であるはずです。
 何かを買う、何かをする、何かに備えるために貯蓄が行われていると思います。
 その目的をより確実に実現するためには、たくさんの金融商品の中から、ニーズに応じて、少しでも有利なものを選択しなければなりません。

 貯蓄と投資の違い
   金融資産の運用には貯蓄と投資の2つの手法があります。
   以下はその具体的な特色です。(資産運用=貯蓄+投資)
     貯蓄=殖やすことより貯めることに主眼
          銀行の預金や郵便局の貯金で運用
          元本保証など確実性を重視
          運用成果は商品の選択時に決定 (固定金利型商品が多い)
     投資=貯めることより殖やすことに主眼 
          投信、株式、商品ファンドなどリスク型商品で運用 
          分散投資と長期投資が基本 
          運用成果は予測できず自己責任が問われる
 貯蓄について